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第7官界彷徨

第7官界彷徨

舞台鑑賞・能楽堂&こまつ座2015年

2015年2月28日
 千駄ヶ谷の国立能楽堂に行きました。写真は能楽堂の早春の中庭です。

 能楽伝承者の養成事業「若手能」の催しです。一般の家の人もこの芸術を継承していくための力になれる、ってことでしょうか。なかなか厳しい世界だとは思うけど。

 まずは「敦盛」。

 熊谷次郎直実は、敦盛の首を取ったのち、青葉の笛を見つけて世を儚んで出家をします。時が移り蓮生法師となった熊谷次郎は、敦盛の霊を弔うために一の谷を訪れます。そこで地元の草刈男の中の気品ある一人と語り合います。

 須磨の浦人が平家滅亡の様子を語り、蓮生法師が念仏を唱えていると、敦盛の霊が現れ、平家一門の滅亡と自分の最期を語ります。

 蓮生法師はわが子と同じ年くらいのわずか16歳の少年を逃がそうとしたが、味方の兵に怪しまれ、無残に討たれるよりはと、自ら少年の首をとったのでした。

 敦盛の霊の若々しい舞が素晴らしかったです。

 次に狂言「昆布売り」

 外出した大名は、太刀持ちがいないので、通りすがりの昆布売りに太刀を持たせようと考えます。嫌がっていた昆布売りは、断りきれなくて太刀を持つことになりますが、尊大な大名の態度に腹を立て、持った刀で反撃。

 単純なストーリーなのですが、昆布売りが大名に「昆布を売る」ことを強要。そのために「売り言葉の口上」をいろいろな調子でうたわせます。大名が嫌がると刀でおどします。その掛け合いの楽しいこと!すっかり口上を覚えましたが、家に帰ったら忘れてしまいました。

謡節
" 昆布召せ /\ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布
   若狭の浦の召しの昆布"

上(浄)瑠璃節 " つれてん /\ てれ/\てん 「まづこれが三味線の心持ちじゃ
   昆布召せ 昆布召せ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布
   つれてん /\ てれ/\てん"

小歌節 " 昆布召せ /\ お昆布召せ 若狭の小浜の召しの昆布 召しの昆布
   この しゃっきしゃ /\ しゃっき/\ しゃっきしや"

 ネットで見たら、こんな感じ。それを大名がまじめに(ならざるを得なくて)謡うのです。最後は手振りまでつけて。大いに楽しみました。

次に能の「葵上」

 葵上は物の怪に取り付かれ、病の床に臥しています。物の怪の正体をおびき寄せようとする巫女。そこに、六条御息所の生霊があらわれ、源氏の愛が薄れたことへの恨み、葵上への嫉妬に狂って舞い踊ります。

 横川の小聖によって祈り伏せられた生霊は鬼の姿となって恨みつつ姿を消します。メリハリのあるシテ・六条御息所の舞が素晴らしかったです♪



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